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おさなご 2月号 平成18年2月更新
教育の場の無い国々
 
年明け早々インド・ミャンマーと立て続けに留守を致しました。といっても外国でGood Timeを過ぎしてきたわけではありません。渡印の目的は釈迦様成道の聖地インド・ブダガヤで日本寺という寺と、幼稚園、無料治療院を運営している国際仏教興隆協会という組織の役員会に出席するためでした。IT関連の産業で目覚ましい経済発展を呈すインドにあってお釈迦様が活躍したビハール州は、インド内陸に位置し、諸外国との経済交流に乏しく、現在インドで最も貧しい州と呼ばれています。承知のようにインドにはカースト制という階級制度が厳然として存在しており、さらにはカーストにも組入れられないアウトカーストの人々の生活は日本人にとっては想像を絶するものがあります。インドの空港や駅に降り立つと沢山のホームレスが近付いて来ては物乞いをします。また大きな寺や宗教的な聖地の周辺にはホームレスや物売りが多数見られ、潔癖症の方々などは辟易とする光景が繰り広げられます。物乞いも物売りもその多くは未だ小学校程度の子供達です。何故子供達かというと子供のほうが観光客などの同情を得、「あがり」が良いからに他なりません。それらのほとんどの子供達は靴も履いていません。衣服もぼろぼろで襟や袖などは真っ黒です。インド政府も貧困者の教育には力を注ごうとはしているようですが、親が子供を働き手としか見ないのではどうにもなりません。

このようなインドの教育環境の中に日本の協会が幼稚園を立ち上げ、教育の大切さを啓蒙するということは大変な労力を要したと聞いています。ブダガヤの子供達の多くは初等教育である幼稚園が最終学歴となるケースが少なくありません。私はインドを訪れる度に、日本の子供達が如何に物質に恵まれているかということを思い知らされます。

インドの話題が長くなりましたが、ミャンマー(ビルマ)には東園寺が事務局となっている国際臨済禅交流協会というボランティア組織で寄贈した小学校の落慶式に出席するために行ってまいりました。これに関しては東園寺の会報で紹介致したいと思いますが、何れにせよ未だ子供達に教育機会を与えることの出来ない国が、世界には多いのです。このインドやミャンマーの映像は園児の皆さんにも紹介致します。特にこの春に小学校に進級する年長さんには、学ぶことが出来る幸福さというものを映像で体験してもらいたいと思うのです。
園長 千坂成也
 
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