塩釜中央幼稚園
HOME
私たちの幼稚園
●幼稚園の一日
園の行事
●1年間の行事
●開催された行事
保育風景
インフォメーション
●預かり保育について
●キッズクラブ
おさな子(毎月更新)
幼稚園のバス
入園募集
園児イキイキパーク

〜クジラ組日記〜 塩釜中央幼稚園ブログ

布袋の袋

東園寺
保護者専用サイトアプリ
塩釜中央幼稚園
おさな子
【おさな子】目次ページへ
おさなご 7月号 平成18年7月更新
布施と功徳(くどく)
 

江戸時代鎌倉の円覚寺に、誠拙和尚という方が住職をしていました。当時円覚寺では焼失した山門を復興すべく募財をしておりました。この募財に大枚をはたいて協力した商人がおりました。商人は募財に協力して後、誠拙和尚会うと、お金を捻出する為にどんなに苦労をして遣り繰りしたかを説明します。沢山のお金を寄進した商人は、得意げな表情ですが、誠拙和尚は無反応です。商人は少しがっかりしました。誠拙和尚に褒めてもらえるなり、感謝の言葉をもられるなりすると思ったのですが、誠拙和尚は普段となんら変わらぬ表情です。商人は段々腹が立ってきました。そこで和尚にこう言いました。「和尚さん!ひどいじゃないですか!私は沢山寄付をしたのに貴方は褒めてくれるどころか、お礼も言わない!こんなことなら協力なんかするんじゃなかった!」誠拙和尚は言いました。「なんとも不思議なことをおっしゃるお人じゃ。お前が功徳を積んでいるのに、なんでワシが礼を言わなくてはいけないのだい?」

現代人は損得勘定だけで世の中を判断しがちです。また仕事であればそれに見合う対価を求めるのが当然であるのでしょうが、日常生活のちょっとした行為までを値踏みするのは如何なものでしょう。
誠拙和尚の行為は、世間的な価値観や道徳から言えば、不遜な行為と言えるものかもしれませんが、布施という深い意味合いから言えば、誠に親切そのものであります。布施とは心を清らかにして他に施しをすることを言います。心清らかにということは、当然見返りを求めるような、厭らしい気持ちがあってはいけません。ですから布施出来るということ自体を商人は感謝しなくてはいけなかったのです。

園児同士の会話や、園生活での物の貸し借り等を見ていると、当に無雑なる心でのやり取りにほっとさせられることがあります。子供たちは私たちに和顔愛語の布施をしてくれています。純粋無垢なだけでは社会を生きることを困難かもしれませんが、心のどこかに仏様のような純真な心を持ち続けて欲しいと願うばかりです。

一学期間お世話になりました。夏休み中はそれぞれ無事で過されますよう心より祈念申し上げます。

園長 千坂成也 合掌
 
【おさな子】目次ページへ
 

宗教法人東園寺 塩釜中央幼稚園 〒985-0026 塩釜市旭町4-8 TEL022-362-8651