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おさなご 11月号 平成21年12月更新

成道会 呼吸を調えよう!

 

 12月8日は成道会。お釈迦さまがお悟りを開いた日であると信じられています。もっとも、仏教の経典によれば、インド歴の2月の満月の日にお釈迦様はお悟りを開いたとされ、これが中国で仏教が伝来された頃に用いられていた陰暦が現在の11月頃が1月であることから、陰暦2月を成道会とし、さらに暦が替わって、今日は中国の陰暦の2月に当たる12月の8日が成道会とされたようです。因みにインドをから直接仏教が伝播した東南アジアでは、誕生日も、成道の日も、お亡くなりになられた日も全て同じで、インド暦2月の満月の日であると考えられています。日本や中国で、この三つの大切な日が別々であるのは、経典を翻訳した方の解釈の違いということだそうです。

 さて話を成道会に戻しましょう。29歳で修行者となられたお釈迦様は様々な苦行や伝統的な修行方法に取り組み、それぞれの修行方法をすぐに薬籠中のものとし、他の修行者を驚かせますが、お釈迦さま自身はこれに満足することなく絶対的に安らかな境涯を手にする為に、さらに厳しい苦行を自らに課しました。その苦行の代表的なものは断食ですが、さらに激しい苦行として、お釈迦様は息を止める行を行ったとされています。これによりお釈迦様は瀕死の状態に陥りますが、この時にお釈迦様の耳に母マーヤさまの慟哭の声がこだまし、幸いにしてお釈迦様は一命を取り留めたと経典は伝えています。

 この後、お釈迦様は少年時代に偶然に行じた坐禅の心地良さを思い出し、まさに呼吸を止める行とは正反対の呼吸を調えることを基本とする坐禅に取り組んだのです。お釈迦様が何を悟ったかについては経典により、伝えるところが異なります。しかし、悟りに至る道筋というものは、生き物として最も大切で、しかも日常に絶え間なく行っている呼吸を調える事だったということは興味深いところです。私たちの日常生活の中でも、心が落ち着かないときには呼吸も浅くなっていると言われます。仕事や家事、そして保護者の方々にとっては何よりも大切な子育て…。やりがいも喜びも多いですが、懸命にこれに取り組む時、ストレスというものも少なからず感じるものです。そんな時にはふぅーっと息を吐いて、心身をリラックスさせて見ましょう!活き活きとした親で有りたいじゃないですか!

 
園長 千坂成也
 
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