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おさなご 9月号 平成21年10月更新

直葬?

 

 最近、直葬ということを耳にします。塩釜辺りでは実際に行われたということは聞きませんが、首都圏などではこの直葬というものが、徐々に増えていると言います。


 直葬。「じきそう」あるいは「ちょくそう」とも読むそうですが、病院等で息を引き取られた方が、自宅へ帰ることはおろか、葬儀会館等にも運ばれる事無く、火葬場に直接搬送され、宗教的な儀礼は全く無しで火葬されることを言うそうです。中央幼稚園の保護者の方には「そりゃぁ簡単でイイや!」と思われる方はいないでしょうね?直葬が生まれた背景には、葬儀に費用が嵩み過ぎるということもあるのでしょうが…。寺や僧侶との関わり、親類や縁者に対する連絡、さらには会葬者の接待が面倒くさいというものが、直葬発生の原因だそうです。


 私も父親、祖母の葬儀を出した経験がありますので、父親の旧知の方々や、名前も知らない祖母の知人の方々に応対することは、なかなか骨の折れることではあることは理解できます。しかし、私達はその中から亡くなられた方について、身内であっても知らなかったことを知り、身近な人の死から死の重さを学ぶという事は決して無駄なことではありません。


 私が修行を終え寺に帰ったのは平成二年の夏でした。バブルが崩壊したと言っても、塩釜の産業の中心であった水産加工業はまだまだ元気で、斯様な業者の創業者や社長の葬儀ともなれば、葬儀に出頭する僧侶の数が十数人に上ることも少なくありませんでした。また、供花が寺の境内に収まらず、三重塔の周囲に工事用の足場が組まれ、花輪が三段に飾られたこともありました。今思えば異常な時代だと思います。


 最近の塩釜のお葬式は家族のみでという場合も少なくありません。藩政時代の通夜は家族のみで行い、通夜に参列したとしてもその場で食事をすることなどは無かったと言いますから、家族のみで故人を送るという事は旧来の伝統に適うお勤めであると言えます。少なくとも故人に近い親族が集い、故人の思い出を子供達に伝えるということや、法要に集う親戚に同世代の子供がいれば交流を持つということ、そして何より人の死に逝く姿に接する機会を与えることは、命の尊厳というものを子供達に伝える上では何よりも大きな機会となると思うのです。


 今回は幼稚園での保育とは離れた内容でしたが、世の中が目まぐるしく変化を遂げる中、社会は何事も便利になったようで、倫理性や治安等という生活を営む基本の部分が大きく揺らいでいます。このような時にこそ古を鑑みることが必要ではないでしょうか。

 
園長 千坂成也
 
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