境内の梅花がほころび、桜の蕾も少し膨らんで来ました。元来ならば東北人にとって喜びが満ち溢れる季節ですが、今年はそうは感じられません。三月十一日、私達は私達の周りの多くの人を失いました。大切な思い出の詰まった家や財産を失った方々も少なくありません。
しかし、このような時だからこそ、将来を担う子供達には落ち着いた教育の環境が必要だと感じます。中央幼稚園ではお釈迦様の慈悲の教えに基づき、子供達が本来有している優しさと智恵が発揮され、命の尊さにそれぞれの子供達が気付けることを念願に保育を実践してまいります。
禅の言葉に「石上(せきじょう)に花を栽(う)えて後、生涯(しょうがい)共(とも)に是れ春」という言葉があります。石の上に花を栽えるというのは修行により悟ることを表しています。花を咲かせたいのなら、肥えた土に植えるのが世の常識です。それをあえて、石の上に花を植えるような考え方の変革をしてみよう!というのがこの言葉の面白いところです。無駄と思えることでも一所懸命取り組んでみよう!合理性や能率性ばかり考えて行動しないよりも、先ず一歩進んでみよう!現在の私達の環境にあっては、大いに励まされる言葉だと思います。
保護者各位におかれましては、この震災により様々な環境の変化が生じ、将来に不安を感じられることも多々あろうかと存じます。幼稚園と致しましても、出来る限りの協力を致したいと存じます。是非、教諭までお申し付け下さい。
それでは本年も当園の保育活動に対し、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
|