震災後の不安の中始まった平成23年度一学期も、早、終業式をむかえる事となりました。保護者の方々におかれましては、お子様の成長に励まされながらも、落ち着かない福島原発や政治の混迷に、ご心労絶えぬ日々であろうかと拝察申し上げます。私達大人は子供の未来を守る為に、前向きに精進致したいものです。
さて、夏休み中の伝統行事にお盆があります。お盆の由来はお釈迦様の高弟目連尊者(もくれんそんじゃ)とその母親の物語に由来します。
目連尊者は一所懸命に修行をした結果、人の死後の世界を見る事が出来る不思議な力を得ました。目連尊者のお母さんは既にお亡くなりなっていましたので、目連尊者はその来世を洞察したところ、なんと母親は餓鬼道(がきどう)にいるではありませんか!餓鬼道は飲食がままならぬ世界であります。お母さんはやせ衰え、見るも無残な姿となられています。神通力に長けた目連様は哀れな母に食物を運びますが、母が口にしようとすると、たちどころに食物は炎に包まれ炭になってしまいます。そこで目連尊者は神通力(じんつうりき)では母を救うことが出来ないことを悟り、お釈迦様に相談致しました。するとお釈迦様は7月15日に懺悔(さんげ)を行い、心清らかになった修行者達に翌日の16日に食事を施せば、母は救われるとお勧めになり、目連尊者が教え通りに実行すると果たして見事に目連尊者のお母さんは餓鬼道から救われたと言います。この時に歓喜のあまりに目連尊者が躍ったことから盆踊りが始まったとも言われます。
それでは何故目連さんのような立派な方を育てたお母さんが餓鬼道に落ちてしまったのでしょう?それは目連さんのお母さんが自分の息子や家族にのみ慈愛を与え他人には非常に冷酷だったからだと伝えられています。このような意味ではお盆の期間中は自分の先祖や家族だけのことだけでは無く、広く人々の幸せを願いたいものです。
酷暑の折柄、何卒園児のみならず、保護者各位も体調管理には充分ご留意頂きたいと存じます。
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