激動の一年が終わろうとしています。当地に未曾有の被害をもたらした東日本大震災。園児のご家族におかれましても大切な命を亡くされた方がいらっしゃいます。先ずは衷心より御霊の安寧なることを祈ります。また、この九カ月、私達を支え励ましてくれている子供達もそれぞれに震災の恐怖を心の内に秘めているかと存じます。何卒、互いに家族が支え合い穏やかな時間をお持ちになることをお薦め致します。幼稚園でお手伝い出来る事が御座いましたら、お申し付け下さい。
茶道で大切にする「一期一会」という言葉があります。ご存じの方も多いかと思いますが、一期とは一生涯という事、誰かと過ごすひと時は再び体験する事の無い大切な時間、一生一度の出会いのつもりで客人に接し、心尽くしたおもてなしを致しましょう、という程の意味です。
もちろん、この背景にはお釈迦様の教えがあります。お釈迦様の教えの根幹は、すべてのものに終わりがあり、すべてのものが支え合い存在しているということです。終わりがあるからこそ、私達は時や出会いを大切にしなくてはいけません。すべてものが支え合い存在しているのですから、自省し、謙虚でなくてはいけません。
震災の時、温かい飲み物や食べ物がどんなに有り難かったか。お風呂に入る事や、夜でも電気が明るいことがどんなに嬉しかったか。千年に一度の体験をした私達、後人の標榜となるような戒めを遺し人身を救う助けとなる事を願うと同時に、生きている事の重大さを自らの心に刻みたいと思います。
長い二学期、様々な行事にご協力頂き、誠に有難うございました。明年も一所懸命保育に邁進する所存です。何卒宜しくご高配賜りますようお願い申し上げます。
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