|
|
清らかな心 |
|
ある国の王はお釈迦様が皆に尊敬されている事に嫉妬心を抱き、お釈迦様やその弟子たちに食事を与え、教えを聞いたならば、五百金に税金を課すとのお触れを出しました。実際にお釈迦様がその国を訪れると、誰もが王を恐れ、家の外にすら出てきません。
しかし、お釈迦様が町を歩いていると、その姿を偶然見かけた老女がおりました。老女は慈悲深いお釈迦様の表情に魅せられ、王様のお触れも忘れ、お釈迦様に供養をしたくなりました。ですが、老女はとても貧しくお釈迦様に差し上げる食物はおろか、何日も空腹を満たす食事すらしていませんでした。今、老女の手には作って数日は経過したと思われる悪臭を放つお粥だけ…。しかもそのお粥が入っている器は壊れた汚い土器でありました。それでも老女は何とかお釈迦様に敬意を捧げるべく、そのお粥を供養することを申し出ました。するとお釈迦様は微笑を湛えて、その食を受けられ、その老女が来世は天界に上ることを宣言されました。
ところが一部始終を見ていた一人のバラモン(司祭階級。カースト制度の最上位にいる人々。)が、これにイチャモンを付けます。
「お釈迦様!嘘をつかないで下さい。そんな汚い食事で天界等に生まれ変われる筈がありません!」
すると、お釈迦様。
「汝は二グローダの樹(日本で言う菩提樹のこと。イチジク科の植物で大木となります。)を知っているか?」
「もちろん知っていますとも」とバラモン。
「二グローダの種は如何なる大きさか?」とお釈迦様。
「二グローダの種はとても小さく、芥子粒の三分の一程の大きさしかありません。」とバラモン。
「そうだ。二グローダの種はとても小さい。それでも、その小さい種から生じる樹木はとても大きく、時には何百人もの人がその樹木の下に休める程である。徳を積むということも、これと同じだ。物として本当に僅かな供養も、それに含まれる心が清らかなること無上ならば、その果報も無限なのだよ。バラモンよ!」
お釈迦様という方は面白い喩えをするものですね。子供の笑顔が最強!なのは、まさに無上の清らかな心のお陰なのでしょう。その笑顔を守ってあげたいですね。とういことで、若干、強引な展開ではありますが、7月は一学期の締め括り、何卒宜しくお願い申し上げます。
|
|
|
|
|