昔々の話です。私が高校生の頃、燃えに燃えて取り組んでいたものがありました。それはパワーリフティングという競技。オリンピックの重量挙げとは違いますよ。パワーリフティングはアメリカで生まれた競技で、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目のトータル重量で競われるものです。

　 もともと、柔道の補強トレーングで中学生からウエイトトレーニングを行っていた私は、高校2年生の時に第一回の全日本高校生パワーリフティング大会の開催の報を知って、文字通りの力試しに参加させて頂きました。当時は高校生の競技人口は勿論、学校のクラブなども全国的に少ない時代でしたから、書類審査で参加出来たのです。中学生の頃からウエイトトレーニングを教えて下さっていた先生にご同行して頂いたものの、初めての大会、そして初めての遠征、そもそも東北新幹線に乗ったことも初めて！という緊張状態でしたが、他の選手よりキャリアがあったのと、短い身体が有利に働いて、自分で言うのもなんですが、断トツで60キロ級1位！そして3年生となった翌年も優勝と生涯の全盛期は高校時代といっても過言では無い成績を修めることが出来たのでした。なんと私が作った記録の1つは、平成20年まで日本記録だったようです！

　私の人生の唯一の自慢話は以上であります。私がここで申し上げたいのは、個々の人間に具わる可能性に適ったものに出会う有り難さということです。実は私は球技に関しては、まったくダメ！運動神経には劣等感さえありましたが、パワー系のスポーツに出会ってからは人生が一変しました。

　人間、何か1つでも夢中で取り組めるものがあることは、人生最大の幸福ではないでしょうか？子供たちが人生を歩む上で、様々な縁を大切にし、それぞれの心に響く何かに出会えれば素晴らしいと思います。そして、幼稚園での行事や活動が、子供達の可能性の芽生えの場となれば無上の喜びです。