人間は無意識に過去の経験年数と、今の時間を対比して感じるといいます。例えば60歳の方は今体験している30分の時間を過去生きてきた60年と対比し、5歳の子供はこの30分を5年と対比して感じるのだそうです。確かに年齢を重ねると時が経つのが速やかに感じられます。お正月をしたと思ったら、もうお盆!なんてこと世間でも良く耳にしますし、自分の経験を振り返っても、小学校の6年間はとても長く、中学高校の六年間はあっという間だったような気がします。時間の長短に関しては、この年齢格差の他にも何をして過ごすか、その心持ちはどうか?という大切な要素がありますが、これに関しては子供の方が大人よりもはるかに高い集中力によって、時間を短く感じることが多いように思います。遊びに集中した時の時間の感覚・・・。恐ろしいものがありますね。
前置きが長くなりましたが、人間の感覚は杓子定規では計れません。時間という万人が同じ基準の下で日々生活している筈ものでさえ、実際には個々それぞれが異なる感覚で生きているのです。様々な事物も万人が同じものを見て、同じものを聞いても、 如何にそれを感じているかは千差万別であります。仏教の考え方の中に、すべてのものごとは心によって造られているというものがありますが、まさしくその通りだと感じさせられます。
言うまでもなく、幼児期は人間の心の土台が構築される大切な時期です。仏教の教えに接し、食べ物に手を合わせ頂戴するという生活が、必ずや子供達の心に豊かな実りをもたらす事と思います。
保護者の方々には、本年の本園に対するご協力に心より感謝申し上げます |