10月の幼稚園のカレンダーには達磨祭りという予定 があるのをお気付きでしょうか?10月5日は達磨大師 のご命日。当幼稚園ではこの日を達磨祭りと称して、 全園児が本堂で坐禅をします。年少、年中組の園児の 皆さんにとっては人生初の坐禅となるでしょう!中に は恐怖を抱くお子さんもいるかもしれませんが…。ご 安心ください!私は先生方の中で一番園児に甘いです から…。
さて、冗談はさておき、達磨さんはインドの香至国 の第三王子でした。達磨さんの父王は熱烈な仏教信者 で城中に僧侶を招いては法話を聞いていました。ある とき般若多羅さんという方の説法に感動した王は般若 多羅さんにとてもきれいな宝石を寄進しました。般若 多羅さんはその宝石を達磨さん達三兄弟に見せて言い ました。「この宝石に勝る宝があるならば言ってみなさ い!」達磨さんの兄二人は言いました。
「お坊さん、それは立派な宝です。それに勝るものは この世にありますまい。」末弟の達磨さんの答えは兄二 人と異なっていました。
「お坊さん、それは確かに立派 な宝です。しかし、きれいだと言っても、それは太陽 やロウソクなど他の力を借りて光っているに過ぎませ ん。それからそのような玉は傷が付いてしまうとたち まち価値が落ちると聞いています。ですから、私はそ のようなものの宝よりも人間の智慧の方が素晴らしい 宝であると思います。」
少年時代の達磨さんなかなか立派な答えです。確か に私達は仏の智慧という素晴らしい宝を元来頂いてこ の世に生を受けます。しかし、この尊さに本当に気付 くことは難しいですね。この素晴らしい宝に心から感 謝し、心身の安楽を得るのが坐禅の究極の目標だと思 います。
10月6日の達磨祭り、園児の皆さんとの坐禅、楽し みにしていますよ! |