天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
保護者各位におかれましてはお子様のご入園、ご進級に喜び多い春をお迎えの事と存じます。
塩釜中央幼稚園はお釈迦様の教えによって幼児教育を行うべく、昭和四十二年、臨済宗東園寺によって開設された幼稚園です。お釈迦様の教えは深く広いものですが、その根幹となるのは諸行無常=すべてのものに終わりがあるということであり、これが「尊い命」「今という時間の大切さ」という大切な教えに結びつくのです。
四月八日はお釈迦様の誕生日。お釈迦様はお生まれになってすぐに東西南北を見渡し、それぞれの方角に七歩進んで、片手は天を指さし片手は地を指さして「天上天下唯我独尊」とおっしゃったと伝えられています。産まれたばかりの赤ちゃんが、天にも地にも唯我独り尊しと言ったとは信じ難いことですが、これはお釈迦様がこのようにおっしゃったというよりは、お釈迦様の母マーヤ様にはこのように聞こえたと考えると、理解しやすいのではないでしょうか?まさに我が子というものは誰の子供よりも尊いというのが人間の情でありましょう。
しかし、ここで気付かなくてはいけないのが、他の家庭のお子さんもその家庭にとっては「独尊」であるということ。幼稚園とはそれぞれ「独尊」の子供達がそれぞれ切磋琢磨しながら、互いに磨き合う場であると私は考えています。塩釜中央幼稚園という仏縁深き場所で、それぞれの子供達がそれぞれの形で光輝くことが出来るよう職員一同精進して参りたいと思います。一年間、何卒宜しくお願い申し上げます。
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