今から350年程前に初代仙台藩主伊達政宗公によって貞山運河が着工し、四代藩主綱村公(東園寺殿故羽林中郎将肯山全提公大居士)に引き継がれ完成しました。しかし、この運河の完成により栄えていた塩釜の町は、寂れてしまい離村する住民が多かったと言われています。この時肯山公は塩釜港寄港の命令、税金の免除、助成金交付等…九ヶ条の特権を塩釜に与えました。これによって塩釜の町は賑わい、港は大きくなりました。現在の塩釜があるのは綱村公の御遺徳があってのものなのです。
6月20日は、綱村公の御命日です。肯山公が逝去された時、村民はとても悲しみ伊達家より位碑を頂き、東園寺に安置し毎年6月19日逮夜の日に村長以下住民が東園寺に集まり供養を行い、翌20日には村長が代表して仙台の大年寺墓所に墓参りするようになりました。この麗しい報恩の行事は綿々と現在まで続いています。
私達が今生きているのは祖先あってのものです。その祖先のつながりの中に綱村公という藩主がいらっしゃること、そしてその偉業が現在まで引き継がれていることを忘れず、塩釜市が住みよい町となることが綱村公に対する報恩行であると思います。
|