5月から年長児の坐禅が始まりました。「足が痛い」「棒で叩かれる」とネガティブなイメージがつきまとう坐禅ですが、坐禅の要点は深い呼吸にあり、東洋医学で人間の身体の中心とされる臍下の丹田と呼ばれる部分からゆっくりと息を吐き、呼吸と心を調える事は健康を保つ上でも優れた効果を発揮するようです。
前述の通り、坐禅は呼吸が肝心要。呼吸を調えるという事に関して言えば、歩いて行うスタイルもあれば、横臥して行うスタイルもあります。白隠禅師という方は横になって行う坐禅、いや臥禅というべき健康法を提唱しておられます。しかし、歩きなが行う禅も横臥して行う禅も、長時間これを修すとなれば、坐わる禅には敵いません。
窮屈だと思われる坐禅のスタイルも、長時間同じ姿勢を維持することにおいては、最も楽な姿勢だからあの足を組む坐禅を行うのです。あぐらの方が楽でしょう!という声が聞こえてきそうですが、あぐらの姿勢はとても腰椎に負担を掛けます。これが坐禅のように片方の足でも逆足の太腿にのせることにより、腰椎が安定し、負担が軽減されるのです。じゃあ横臥してやりましょう!と言えばそのまま寝てしまいそうです。
このように坐禅というものは何も苦しみを求めて行うのではありません。洪水のように情報が溢れる現代社会、子供の心にも過剰な刺激がもたらされています。月に1回、わずか15〜20分程とは言え、本堂で子供達が静かな時間を過ごす事はとても意義のあることだと感じます。
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