お遊戯会、餅つきが終わり、長い二学期も終業式となりました。様々な行事や活動を経て、子供達は目に見えて大きく成長を果たしたと実感します。
何度も申し上げている通り、12月8日はお釈迦様お悟りの日。お釈迦様がお悟りになった時、東の空に明けの明星が輝いていたと伝えられます。中には明けの明星を見て悟ったなどという解釈まであるようです…。お悟り描写に関しては悟りを目指す宗派である禅宗では、お釈迦様だけでは無く、多くの僧侶のそれを伝えています。掃き掃除をしていてたまたま飛んだ小石が竹に当たった音を聞いて悟った者、遠くに鳴る鐘の音を聞いて悟った者、師匠に鼻を捻られて悟った者…。逸話には事欠きません。
しかし勘違いしてはいけません。掃除をしていて小石が竹やぶに当り、音がすることなどは日常茶飯事。鐘の音などは毎日決まった時間に同じように鳴らされるもの。昔は師匠の暴力など挨拶代わり…。ですからその逸話は面白いものですが、実はあまり重要な意味を持ちません。それよりはそこに行き着くまでにあれこれと試行錯誤や工夫を為し、己をそこまで高めた上で時節因縁が花開いたのです。
時節因縁とはよく禅僧が言う言葉で、「成功というものは本人の努力だけでは到達し得ない。時節因縁というものが味方してこそ大きな目的は到達出来る。」という具合に用います。しかし当然のことながら、相応の努力をした者だけに時節因縁を待つ権利はあるのです。
子育てにも同じものを感じます。健康に良いものを食べさせ、勉学や習い事に勤しませる…。なかなか手ごたえを感じないこともある…。それでも親の適切な努力こそが子供の時節因縁に結びつくものだと思います。
本年のご愛顧を心より感謝申し上げます。
|