「三人寄れば文殊の知恵」なんて事を言います。最近はあまり使われない言葉ですが、辞書を紐解くと「(「文殊」は知恵をつかさどる菩薩)凡人でも三人集まって相談すれば、なんとかいい知恵が浮かぶものだ、ということ。」(『日本国語大辞典』より引用)
確かに立ちはだかる難問には一人で知恵を絞るよりも、数人で考えを巡らした方が良い解決策を見出せそうです。この言葉の由来となったわけではありませんが、我々僧が托鉢をする際の最小人数も実は三名。僧はもともと修行をする集団を意味し、正規式な決まりでは五名以上の出家者の集まりでないと僧と呼べないのです。お釈迦様が複数の人間で修行をすることを勧めたのは、一人では自分の行動を反省し、規律のある生活をし難い、二人だと意見の強い者の思うままになりかねない、三人以上の者が存在してやっとそこに規則が生じ、互いに切磋琢磨しあえるという合理的な理由に基づくものでした。
今年度が始まり二ヶ月近く経ちました。園児達は集団活動の中でそれぞれのペースで日々成長しています。子供達は子供同士接し、和合の楽しさを感じ、時には衝突の中でその解決方法を学んでいくのです。楽しいことばかりが続くことや、苦難に巡り合わない人生などあり得ません。子供達には幼稚園という社会の中で多くの友人と接し、強い心を育んでもらいたいと念願します。
園長 千坂成也
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