早いもので「おさなご」も今年度最終号となりました。保護者の方々には1年間、当園の活動に対し格段のご厚情とご協力を賜わり心より御礼申し上げます。
さて、言うまでもなく3月11日は東日本大震災の発生日。幼稚園では翌12日に園児達が描いた絵行灯を灯し犠牲者の方々の供養を致しました。昨年度の園児が卒園して震災前に誕生した園児はいなくなり、今年度からは震災の実体験の無い園児だけとなった追悼式ですが、園児達は地震で亡くなられた方の為の集まりであることを話すと、いつも以上に真摯な姿で式に参加してくれました。
震災を知らないとは言え、園児達は地震の恐ろしさをご家族から聞き、あるいはテレビで映像を見たりしていて、震災の恐怖を肌で感じているでしょう。また震災時にお腹にいたお子様は母親が抱いた恐怖を実際に母胎から感じ取っていたのかもしれませんね。
何れにしてもあの地震を体験し、幸いにして命を長らえた我々はこれを後世に伝える責務があると感じます。表題の「伝えよう 生命の尊さ 仏の心」は日本仏教保育協会のスローガンです。お釈迦様の教えの根幹は諸行無常〜この世の中も私達の命にも限りがあるという事です。そんな事は当たり前だと思われるかもしれませんが、その当たり前な事を忘却し、時にこれから目をそらして生きているのが我々ではないでしょうか?終わりある命、限りある人生だからこそ、悔いなきよう一所懸命に生きなさいというのがお釈迦様の教えなのです。
可能性の塊である園児の未来が実り豊かであります事、そしてそれを支える保護者の方々の日常が充実したものであります事を衷心より祈念申し上げます。
|