3月も中旬となり朝晩の冷え込みも大分和らいで参りました。保護者の方々におかれましてはお子様のご卒園ご進級に喜び多い春をお迎えの事と存じます。
さて当園では毎日園児達が延命十句観音経を唱えています。延命十句観音経を要約すれば「我々は仏と深い因縁を持っていて、仏法との縁は我々を尊い境地に至らしめる。観音様は常に我々の心と共にあり、常に私達は観音様を念じるのである。」との意味に理解出来ます。仏法との縁により至る尊い境地は「常楽我浄」という言葉で表現されています。これは涅槃(悟り)の四徳と呼ばれるものです。
仏教を少し学んだ方ならこの言葉を不思議に感じられる事でしょう。何故なら通常の仏教は「すべてのものは常では無い。」「すべては苦である。」「すべての存在は無我である。」「すべてのものは不浄である。」と説くからです。
難しい話で恐縮ですが、通常の仏教が説く「諸行無常」「一切行苦」「諸法無我」「本来不浄」を突き詰めると共にポジティブに捉えると「常楽我浄」に至ります。
「人生にも物事にも永遠は無いのだから今を大切にしよう!」「元来生きることには苦痛を伴うのだから苦しみの中に光明を見つけよう!」「私達自身にも物事にも永遠に存在し続ける実体は無い、こだわりを捨てて自由に生きよう!」「綺麗や汚いは自分自身や社会通念が勝手に決めたもの。自分自身の心を清らかにして物事の価値を見つめ直そう!」常楽我浄を積極的にアレンジすると上記の如くです。
保護者各位におかれましては大切なお子様の笑顔と未来の為に何卒ご精進ください。末筆となりますが、本年度のご助力に対し心より感謝申し上げます。
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