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おさなご7月号 令和元年11月更新

蘭盆会〜他者に思いやりを!

 

 夏休み中にある伝統行事と言えば「お盆」ですね!お盆は正式名称を盂蘭盆会(うらぼんえ)と言って、お釈迦様の高弟である目連尊者が餓鬼道に落ちた母を救う為に、お釈迦様の教えに従い、修行者達に食事を振る舞ったことから始まっています。
   目連さんは神通第一と称される方で、長年の修行により、亡くなった方が何処に生まれかわっているのかを知る能力を得ました。目連さんの両親はすでに亡くなっておりましたので、二人が何処に転生しどんな暮らしをしているのか、神通力を使って洞察してみました。すると父親は天界に生じていましたが、母親は天界にも人間界にも生まれ変わってはいませんでした。残念なことに目連さんの母は餓鬼会という食事が満足に取れない恐ろしい世界に転生していたのでした。別人のようにやせ細った母親を見て目連さんは悲しみ、神通力をもって食事を運びましたが、母親がそれを手にしょうとした瞬間、食べ物は炎に変わってしまいます。目連さんは自分の力では母を救うことが出来ないと悟り、お釈迦様に母の救済を求めました。「お釈迦様!私や父にとても優しかった母が何の間違いか、餓鬼道に落ちています。どうか母を救う方法を教えてください!」お釈迦様は答えました。「君の母は確かに君や自分の家族には優しかった。しかし他人には恐ろしく冷淡であった。君の母はその報いを受けて、今、餓鬼道に落ちているのだ。この七月十五日、修行僧達は三ヶ月間の厳しい修行を満了し、お互いの三ヶ月の反省を為して清らかな心となるだろう。この僧侶達に食事を施したならば、きっと君の母の功徳になるに違いない。」
 目連さんはお釈迦様の教えの通りに修行僧に供養すると、目連さんの母は救われ、天界に生まれ変わったと伝えられます。僧侶の私が言うのも何ですが・・・。作り話かなぁ?しかし、自分や家族のことだけでは無く、他にも思いやりの心を持つことが大切であることは正に真実そのものですね!日本のお盆はご先祖様が現世にお帰りになるのがメインですが、お盆期間中には終戦の日もありますし、今生きている自分自身の命や、お子様の命が、天然自然の恵みや、他者から頂くご縁によって得たものであることに思いを馳せて頂きたいものです。
   さて、一学期中は大変お世話になりました。園児にとっても保護者の方々にとっても楽しい夏休みとなりますよう心より祈念申し上げます。海の事故等、くれぐれもご注意ください。

園長 千坂 成也

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