12月8日は成道会(じょうどうえ)。お釈迦様がお悟りを開いた日だと日本の仏教では信じられています。臨済宗の専門道場ではこの期間に臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)という坐り通しの修行が行われています。臘八は12月のことを臘月と8日を組み合わせたもので寒い時節の修行となりますので、寒がりの私などは「お釈迦さんが悟ったのって史実では5月なのに・・・。」などという不謹慎なことを思いながら坐禅に取り組んだものです。
実際、仏教の本場である東南アジアや仏教の故郷であるインドではお釈迦様の成道、降誕、涅槃はすべてインド暦2月の満月の日となっており、これを現在のカレンダーに当てはめると5月頃になるのです。お悟りという仏教徒にとって最も大切な日が国によってバラバラなのは摩訶不思議ですが、これが仏教の特徴でもありますね!とにかく仏教は他の世界宗教に比べて戒律も寛容ですし、絶対的な聖地という感覚もなければ、それぞれの宗派、それぞれの国によって大切にする経典も大きく異なります。それでいて同じ仏教徒だと言って、大きな喧嘩もせずにいるのですから、実に面白いものです。
このような仏教の姿はお釈迦様の大いなる慈悲と智慧に帰すものであり、その根源となるものが「お悟り」であることは言うまでもありません。朝礼や坐禅の際、子供達にはお釈迦様の逸話を繰り返しお話しています。自らに厳しく、他にはとても深い慈愛をもって接したお釈迦様の教えに触れた子供達が、自らが大切な存在であることを感じ、周りの友人もその大切なものを感じてくれたならば幸いです。
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