選挙事務所や神棚で睨みをきかすダルマさん。実はインドから中国へと禅の教えを伝えた僧侶で僧名を菩提達磨大師(ぼだいだるまだいし)、皇帝から賜った正式なお名前を菩提達磨圓覺大師(ぼだいだるまえんかくだいし)とおっしゃいます。
インドの香至国の第三王子として誕生した達磨大師。達磨さんの父王は仏教を篤く信仰しており、僧侶を城に招いては法話を聞くのを好まれたそうです。
ある時、王様は般若多羅さんという僧侶を招いて教えを請いましたが、般若多羅さんの法話がとても素晴らしかったものですから、お礼にと大きな珠を施しました。すると般若多羅さんは達磨さん達、三人の王子にその珠を見せ、これに勝る宝があったら言ってみよ!と迫ります。
これに対し達磨さんのお兄さん二人はその美しさや大きさを称え、その珠に勝る宝などこの世に無いと答えました。しかし末っ子の達磨さんの答えは違います。「和尚さん、その珠はとても綺麗に光り、しかも形も良く大きなものですが、暗闇の中で光ることがあるでしょうか?またそのような綺麗な珠でも一度傷がついてしまうと、途端に価値が下がると私は聞いています。和尚さん!私はそのような物の宝よりも人間の智慧や心の方が素晴らしい宝だと思います。それは自ら光り、傷がついても立ち直ることが出来ます。」
達磨さんのお答えは素晴らしいですね。しかしこれを本当に自覚し、自らこれを実践する為には達磨さんでさえも沢山の修行を修したのです。 |