10月8日は達磨忌。達磨大師が亡くなった日だと信じられています。日本では繭のような丸みを帯びた人形の姿で知られる達磨大師は、インドから中国に初めて本格的な坐禅を伝えた方。臨済宗や曹洞宗のような禅宗では「初祖(しょそ)」と呼ばれ大切にされています。
達磨さんの絵が描かれた際に「七転八起」という言葉が添えられる事があります。七回転んで八回起きる…。考えてみたら不思議な言葉ですね!転ぶ数より起きる回数が多い! 七と八という文字が入った四文字熟語は他にもあります。七顛八倒とか七花八裂などです。四文字熟語というのは殆どが中国由来のものが多いのですが、実は七転八起は日本語。ですから「七転び八起き」と書くべきなのでしょう。本来の七転び八起きは浮き沈みの激しいという意味で、達磨画に着ける言葉としては相応しくないような気がします。きっと文字面から達磨さんの不撓不屈の精神をイメージしたのでしょうが。
ところで七転び八起きという言葉に独特の解釈をした僧侶がいます。人間は地上に立つ生き物だから、今立っている為には立つ数が一つ多くなければならない。そして人間が初めて立つ時には誰かしらの助けを借りている。それを忘れてはいけない…。語句の解釈としては間違っていますが、良い教えです。 |