12月8日は成道会(じょうどうえ)。お釈迦様がお悟りを開いた日であると日本では信じられています。
お釈迦様は釈迦族の王子ゴータマとして誕生し、何不自由なく成長され、結婚をし、お子様もおいでになりましたが、老いや死の恐怖を尋常では無いほど感じられたそうで、29歳のときに修行者となられています。
お釈迦様出家の原因となる老病、そして死はすべての人のもとに至るものであり、姿かたちのあるものとして、これから逃れることは出来ません。しかし、ゴータマ王子は人一倍、繊細で優しい方でしたので、自分自身の老病死はもちろん、家族や知人のそれにも心を傷め、修行者の道を選んだのでしょう。
ゴータマ王子の父であるシュッドダーナ王は繊細な我が子と老人や病人、死者などが出会わぬように家臣に命じますが、成人した人間がこれらの人に会わぬという事が有り得ないワケで、結果的には王子の出家願望を助長することになったようです。
6年間の苦行と菩提樹下の坐禅によって王子は35歳のときにブッダとなられました。そして45年の布教活動の後、80歳で入滅しています。さて悟後の45年間、ブッダは老病死の苦しみから解放されたのでしょうか?私はブッダ本人では有りませんから、何とも言えませんが、大般涅槃経などを紐解くと普通に病気もし、腰痛などで苦しみつつも80歳になるまで懸命に法を説いています。
大変、卑近な言い方ですが、日々の時間を大切に自分自身と可能性と目の前の人の可能性を活かす事がブッダにとって老病死を超越する唯一の方法だったのだと思います。私達も日々大切に生きましょう! |