園児の皆さん、保護者の皆さん、ご入園、ご進級おめでとうございます。
お子様方の成長に歓び大きい春をお迎えのことと存じます。
塩釜中央幼稚園は社会の宝である子供達や子育てに取り組む保護者の方々にお釈迦様の教えを施与し、豊かな心を持つ人を育成することを念願として、昭和42年に当時の東園寺住職千坂精道和尚と東園寺責任役員が中心となって設置されました。今日もその建学の精神を護持すると共に子供達の成長に有益と思われる保育活動や行事を行っています。
特に保育活動の柱となっているのは『園だより』のトップに掲げている《今月の目標》です。今月の目標は合掌問法。合掌は手を合わせること、問法は法(教え)を聞くことを意味します。
合掌はインドの習慣に由来しており、インドの方は神仏に祈るときだけでなく、朝昼晩の挨拶にもお互いに手を合わせ「ナマステー」と言います。右手は仏や神の智慧や精神を表し、左手は我々の迷いがあり不浄ではありますが、活動的な心を象徴しており、これがピッタリと一つになるのが合掌であり、仏や神に対する深い信仰を表すと共に、人と人が合掌して挨拶した場合にはお互いに対する尊敬や敬愛を意味します。また聖と俗、善と悪など世を二つに分けて見る思考を超えたところにある最高の悟りを合掌は表しています。(ちなみにナマステーのナマスは「〜を尊敬します」という意味で、南無釈迦牟尼仏とか南無阿弥陀仏といったときの南無と同じ語源。テーは「あなたを」という意味ですので、ナマステーは合掌と同じ意味の言葉となります。)
さて塩釜中央幼稚園では朝の挨拶や帰りの挨拶、さらには給食を頂く際など、いろいろな場面で合掌をします。前述のような深い意味を理解出来なくても、合掌という動作そのものに心を穏やかに落ち着かせる効果や、ものごとに対する感謝の心を育ませる力があると私は思います。園児達が幼稚園の活動で、合掌という動作からお友達への思いやりや、あらゆる命の尊厳を身につけることを期待します。
保護者各位におかれましては、本年一年も何卒宜しくお願い申し上げます。 |