園庭から見上げる祠は東園寺の別院である稲荷不動堂です。古くからの由来は不明なのですが、お稲荷様と不動明王そして子育て観音菩薩を祀っています。東園寺の先代住職の頃は毎月祈祷の法要が営まれていました。
このお堂のメイン、つまり主尊であるお不動様は片手には剣を携え、片手には羂索(けんさく)と呼ばれる五色の糸を編んだ縄状のものを持っています。羂索はワナを意味し、すべての人を救う象徴と言われます。そのお不動様の最大の特徴は、忿怒(ふんぬ)の相と呼ばれるとても怖い顔!
お不動様はその恐ろしい顔は邪気を祓い、我々の煩悩を取り去ってくれるのです。不動明王という名前は、ヒンズー教の神シバ神の別名であるアチャラナータを翻訳した「無動尊」に由来し、大日如来の命を受けて忿怒の姿をしているとか、大日如来の化身とされています。ですから、怖い表情をしながらも、心には大いなる慈悲を有しているのです。
さて、話は変わりますが、皆さんは忿怒の相となることありますか?子供達に向かってお不動様のような顔になることは無いですか?
ときには子供達に厳しく接するべきときがありますが、厳しく接するときでも自らの心を怒りで満たしてしまったならば、それは躾や教育では無くなります。カッとなったときには一呼吸!一度ゆっくり息を吐いてから叱ってみてください。 |