中国が唐と呼ばれていた時代の禅僧に百丈禅師という方がいらっしゃいます。
百丈禅師はあるとき弟子から質問されました。
「和尚さん。この世の中で一番尊いことはなんでしょう?」
すると百丈禅師、「私がこの寺にちょこんと坐っていることだよ。」と答えました。
人の命は尊い、自然は尊い、友情は尊い、家族は尊い、我々僧侶であれば仏陀は尊い、仏法は尊いと、私達の周囲には尊ぶべき様々な事柄がありますが、尊いものを尊いと感じられる「自分がここにいる有難さ」は何といっても格別の尊さです。
いやいや我が子ほど尊いものは無い!しかし、我が子を尊いと感じられる自分自身がここにあってこそ、我が子を尊いと私達は認識出来るのです。
ですから自分自身、いや自分自身の心を平静に保つことはとても大切ですね。我慢し過ぎても心は破綻してしまいますし、楽しい事ばかりに興じていると本来大切なことを見失ってしまいます。保護者の方々におかれましてはお仕事に子育てにとお忙しい日々であろうかと存じますが、お子様の為にもご自身のケアにご留意頂きたいと存じます。
もうすぐ3月11日がやって来ます。実際に震災を体験された方々はあの恐怖を忘れることは無いでしょう。しかし震災後、徐々に普通の生活を普通に過ごせることに感動し、心から感謝したことはややもすれば忘れがちではと思います。前述、百丈禅師の逸話にある通り、私達がここに存在し日暮しすることは大変有り難いことです。3月11日は地震で亡くなられた方々の供養をすると共に普通に食事が出来たり、電気やガスが使えることを感謝する日にしたいものです。 |