松巌山 東園禅寺トップ > 法螺貝

法螺貝 住職の法話

令和二年三月発行

「本当は生前が当たり前?戒名。」

 1月に『両親への贈り物に「生前戒名」という考え方』という本が徳間書店より発行されました。著者は平成29年の花祭りの夕べで講師をして頂いた田口誠道師です。戒名についての基礎知識や生前戒名について分かりやすく説明された本ですので、機会がありましたら御一読頂ければ幸いです。
 戒名は文字通り戒律を授かり仏門に入った証に頂く名前です。本来は得度をして僧侶となって戒名を受けるものですが日本では初歩的な戒律を受けることにより、在俗のままで戒名を授かることが昔からありました。古い塩竈人が四代藩主綱村公を肯山様と呼ぶことがありますが、「肯山」とは綱村公の戒名で、公は生前からこの名を名乗っておられます。さらに遡って中世の時代には逆修という仏教行事が鎌倉御家人の中で流行します。逆修は自分の葬儀を自分で出すこと。灌頂経などの大乗経典には、死後に遺された者が故人の供養を行っても、故人に齎せられる功徳は、遺族が積んだ功徳の7分の1で、功徳の殆どは現世の人が得るという記述があります。これを受けて、有力者の中には自ら功徳を積んで、自らが功徳を得ようとして逆修という行事が生まれたのだとか…。
 最近は終活の一環として生前戒名を希望する方がおられます。東園寺でも年に数度ではありますが、本堂で授戒を行い生きている方に戒名を差し上げることがあります。終活というとお年寄りのものと思われる事でしょうが、いつ果てるとも知れぬ人生、死を意識して日々を過ごすことは、時間を大切にする習慣に繋がると思います。生前戒名を受けることがその契機となれば、とても意義深いですね!

 
東園寺 所蔵書画

東園寺で所蔵の書画をご紹介しています。

東園寺 中興開山

東園寺の中興開山である曹源祖水和尚(そうげんそすいおしょう)についてのお話がご覧いただけます。

布袋の袋 東園寺住職の塩釜中央幼稚園園長のブログ。
花園妙心寺 ご開山さま
塩釜中央幼稚園 われらはほとけのこどもなり
「塩竈中央幼稚園Facebookページ」