令和四年五月発行
「言葉を大切に」
粗(そあら)なる
ことばをなすなかれ
言われたもの
また なんじにかえさん
いかりに出ることばは
げに くるしみなり
返杖(へんし)かならず
汝の身にいたらん
『法句経』133 友松円諦先生訳
最近は政治家の先生や芸能人からスポーツ選手までSNSでの情報発信が盛んです。直接会って話を聞けないような方々の生の意見に接することが出来、面白い時代だと思っています。檀家さんはあまりご存知では無いかも知れませんが、東園寺も10数年前からホームページやフェイスブック、ツイッターなどを通じて情報発信を行っています。ですからSNSに消極的な感情は無いと言って良い私なのです。しかしSNS上で散見される言葉の乱れは実に由々しきものがありますね。特に政治家…。やはり民意によって立場を得た方々は綺麗とまでは行かなくとも丁寧な言葉を使って欲しいものです。嫌、政治家の先生方にあってはSNS上だけではありません。国会中継における野次などは本当に品が無いです。何とかならないものでしょうか…。
冒頭の言葉はお釈迦様の金言が活かされていると伝わる『法句経』の一節。お釈迦様は発言に気をつけることを進言されており、他の経典では「人が生まれたときには、実に口の中に斧(おの)が生じている。愚者は悪口を言って、その斧によって自分を斬(き)り割(さ)くのである。」とおっしゃっています。
目上の人だけでなく、後輩や部下にも敬称をつけ、丁寧な言葉で接すると自ずと自分の心も落ち着き穏やかになるものです。