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法螺貝 住職の法話

平成二十三年九月発行

『黄色い畳。青い柔道着』


 先日、柔道の世界選手権があり、日本人選手の活躍が報道されました。忠軽量級の選手が活躍する中、重量級は外国人選手にパワーで圧倒され、改めて柔道というものが国際化し、お家芸と雖も常勝は難しいことを思い知らされました。さて、テレビで試合の様子を楽しまれた方の中には大きな違和感を持たれた方も少なからずおられたかと存じます。  
  なにしろ畳が黄色いのです。  
  私も、昔、少しだけ柔道をした事があり、以前に選手を見分け易いようにと青い柔道着が登場したときには衝撃を覚えた事がありました。今回の黄色い畳に関しては、衝撃というより、外国との価値観の違いを半ば愉快に感じました。
  柔道の畳みは、畳みといっても表面はビニールのような素材です。わざわざ、い草の色を再現しなくてもよさそうな物であったのに、日本文化と共に存在した時代の柔道界は本来の畳みの色にこだわって来たのです。否、こだわったというよりも、緑以外には考えられなかったという方が正しいかもしれません。今日、元来「道」であった柔道はJUDOというスポーツになりました。日本人が白という色に抱く感覚も、緑というものに対する思い込みも、そこにはありません。  
  しかしながら、小衲はここに物事が異質なものと関わることにより、様変わりしたり、成長したりという事に対して大いに興味を感じるのです。思い込みを超えるという事が、世の中をより活動的にします。潜入概念無しに黄色い畳みの中で躍動する選手達の姿を思い出すと、ひと際輝きを増していたようにも感じます。  
  「花は紅 柳は緑」という有名な禅語があります。ものごとを有りのままに見つめよう。という提言ですが、禅には「花は紅ならず 柳は緑ならず」とい う言葉もあります。これは常識を超えて見ろ、常に疑問を持って精進してみよう。という意味であります。  
  どちらを向いても閉塞感漂う日本社会。これを脱却するには、思い込みや、概念を超越した考え方が必要であると思います。これは、「儲けの為なら何でも許す。」という世界を、推進しているのではありません。もはや、日本は企業倫理も社会規範も地に落ちた感があります。私は、むしろこのような社会状況は、物質的な喜びの追及を反省し、「本当の幸せとは?」「人生の目標とは?」というものを、個々が見つめ直す絶好の機会であると思うのです。  

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