雲居希膺禅師 法語「即心是佛云々」
雲居禅師法語 「人間万事塞翁馬」 |
雲居希膺(うんごきよう)(1582~1659)即心是佛云々
瑞巌寺中興開山。土佐出身。2代仙台藩主忠宗公の招きにより瑞巌寺に入寺。政宗公菩提の為に陽徳院愛姫、天麟院五郎八姫に往生要歌を通じて念仏禅をひろめた。陽徳院、大梅寺を始め、諸寺を開創。万治2年大梅寺にて示寂。号は把不住軒。勅賜号(生前に天皇より賜る名前。死後は勅諡と表記。)は慈光不昧禅師。さらに大悲円満国師と勅諡される。
○ 「或る人問う、如何なるこれ仏。答えて云く、即心即仏。また問う、如何なるかこれ魔。答えて云く、即心即魔。また問う。如何なるかこれ現当安楽の法。答えて云く、君父にあっては唯仁慈のみ、臣子にあっては唯忠孝のみ。また問う、如何なるかこれ福寿増長の法。答えて云く、知足はこれ至宝、安心はこれ良薬なり。また問う如何なるかこれ安心の法。答えて云く、貴賎寿夭は前世の業、仏魔凡聖は現今の修、人間万事塞翁が馬、楽に逢うも歓ばず、苦なるも憂うことなし。」
禅僧の墨蹟は、かなり境涯の進んだ禅者でなければ理解しがたいものも多いが、雲居禅師のそれは身近な言句を使いながら、解りやすく禅をといているところにその特長がある。