鐵眼道光禅師「偈頌」
四五月裏、竹葉落ち 萬木青々として、梅子黄たり
冷地、他と為す生死の事 如何か空しく過さん好時光
檗峰 鐵眼書
鉄眼道光(1630~1682)は守山八幡宮の社僧を父に生まれ、父の影響で浄土真宗にて得度、後に浄土真宗より黄檗派に転宗した。大蔵経開版を志し募財に奔走し、浄財を得たが、飢饉や洪水などの災害援助の為にこれを用い、五三歳のとき三度目の募財にして一切蔵経開版を成し遂げ、その完成を見届けて遷化した。木庵禅師の法嗣。
作品は『千巌禅師語録』から引いた詩。千巌禅師は諱を元長といい中峰明本禅師の法を嗣いだ人。