桂洲道倫禅師「喝 置き字」
天龍寺221世桂洲道倫禅師(1714~1794)の作品。
僧「仏法のぎりぎり肝要の処を伺いたい。」
師(臨済禅師)はすかさず「かーつ」と一喝を浴びせた。
僧は礼拝した。
上記は臨済録の一節。一喝は臨済禅師を象徴する弟子を導き仏法の大意を示す手段で、臨済録には四喝が説かれ、この置き字はこれに基づくもの。
「有る時の一喝は金剛宝剣の如く、有る時の一喝は踞地金毛の獅子の如く、有る時の一喝は探竿影草の如く、有る時の一喝は一喝の用を作さず。汝作麼生か会す。云々」とある。踞地金毛とは地にうずくまって獲物を狙う獅子。金毛とは最も老成した獅子の形容。