盤龍禅礎老師「半身達磨画賛」
盤龍老師は瑞巖寺126世 江月室 岐阜羽島の人 相国寺荻野独園の法を嗣ぎ、明治38年瑞巖寺住職に就任。大正15年に瑞巖寺専門道場を開き、臨済最北端の道場とする。
作品は双方とも盤龍老師による達磨画賛。賛の無い達磨画は先々住が老師から頂いた伝来の作品。盤龍老師がお描きになるオーソドックスな達磨画ながら、全紙サイズで力強い祖師像に仕上がっている。
もう一方は数多く描き残された盤龍達磨とは一風異なる作品。賛の書体から見て若い時代の筆と考えられる。達磨の喉元の川という文字のような三本線は「心」という文字を表すという説がある。これは白隠禅師以来の達磨画の伝統とされる。
賛の「外諸縁息め 内心喘ぐこと無し 心を墻壁如くして 以て道に入るべし」は盤龍老師が好んで置かれる語句で、外部の一切に対し迷妄を起こさず、内心の思慮分別を捨てて、心墻壁の如き禅定に入り、本具の佛性を体得すべしとの意。『少室六門』からの引用で「外息諸緣 內心無喘 心如牆壁 可以入道 明佛心宗 等無差誤 行解相應 名之曰祖」とある。