雲居希膺禅師法語「圓悟禅師垂示に云く法幢を建て宗旨を立す云々」
圓悟禅師垂示に云く
法幢を建て宗旨を立す、錦上に花を鋪く。籠頭を脱し角駄を卸す太平の時節。或いは若し格外の句を辨得せば、挙一明三。其れ或いは未だ然らずんば旧に依って伏して處分を聴け。
挙す、僧智門に問う。蓮華未だ水を出でざる時如何。智門云く蓮華。云く水を出でて後如何。門云く荷葉。
前正法山にして勝雄山に寓す雲居叟大願寺裏把不住軒下にて書す
碧巌録二十一則 智門蓮華荷葉の垂示及び本則を書したもの。この寺院に秘蔵される墨蹟を除けば、雲居禅師にとってこのような禅録をそのまま書写したものは少ないと思われる。勝雄山の大願寺は不詳であるが、勝尾寺に隠棲していた頃の墨蹟であるとすれば、寛永十年頃、雲居禅師五十二~五十五歳の書と思われる。