草山祖芳禅師着賛「布袋画賛」
汝面和気
水清月鮮
一箇布嚢
包括大千
多少稚子
扶脊擁肩
分身弥勒
済度無辺
漢興拝賛
和かな表情をした布袋和尚の心は清らかな水が月影を写すように調っており、その袋には三千大千世界を納めている。赤子の如き迷える衆生を救う。その姿を弥勒仏の化身であり、その人々を救う力は際限がない。
草山祖芳(1722〜1806)は京の人。5歳にして父を喪い、元文元年15歳にして妙心寺山内雑華院古篆の下で得度。ついで大愚宗築の法流を汲む梁山の門で修行し、その法を嗣ぐ。白隠と問答するも一歩も譲らず、その応酬は寅の刻(四時)より午の刻(十二時)まで及んだという。