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東園寺所蔵書画

大愚宗築禅師着賛 湖翁画「裁松老人、蜆子和尚 猪頭和尚画賛」


江戸初期の妙心寺派を代表する禅僧である大愚宗築禅師着賛の裁松老人、蜆子和尚 猪頭和尚画。大愚禅師に関しては唐渡天神をご参照ください。絵師の湖翁は不詳。

栽松老人(五祖弘忍大満禅師)


不摘葉尋枝 唯能探本根
 風吹不動雪難壓 億々萬年覆子孫
斧を担いだ老人は栽松老人と呼ばれる達磨大師より数えて五番目の祖師である弘忍禅師の前世と信じられる人物。栽松老人は四祖道信禅師に出家を請うが、老齢の為に認められず、偶然に小川で洗濯をしていた一娘の胎に生まれ変わり、後に道信禅師の弟子となった。
 賛は「老人の家風は枝葉を尋ねず、ズバリ本質を探るものであり、栽松老人が栽えた松、即ち仏法は、風にも雪にも負けず、億萬年も法孫を守り続ける。」との意。

蜆子和尚


渓尾渓頭打野盤 撈蝦摝蜆當朝飡
想応不是釣鰲手 得箇蝦児便喜懽
蜆子は唐末の人で洞山良价の法嗣。「京兆に住するも居住一定せず、逐日河岸に鰕蜆をとって食し、夜は東山白馬廟などの神祠の紙銭中に入って眠るので、蜆子和尚といわれた。その終処全く知れず。弟子に猪頭和尚・維足和尚がいる。」(禅学大辞典)
賛は「渓から渓へ野宿をし、蝦や蜆を採っては食事としている。これは想うに宇宙を呑飲する釣鰲の妙手では無いぞ!このエビを捕えて喜ぶ姿を見ると大したことは無いヤツだ!」

猪頭和尚


猪頭和尚
提起臭猪頭 口邊涎欲流
毘尼清浄戒 此老一生修
上記の通り猪頭和尚の弟子。「臭気を放つ猪の頭を見せびらかして、口の辺りによだれを流そうとしているこの男。仏教の清浄なる戒律を、一生護持し修めておる。」
 
東園寺 所蔵書画

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