古梁紹岷禅師「鍾馗画賛」
護善擯悪 善を護り 悪を擯(しりぞ)く
雄視眈々 雄視眈々
一握青霜 一握の青霜(せいそう)
群魔喪膽 群魔膽(きも)を喪す
南山老人
※青霜とは剣のこと
古梁紹岷は南山の名で親しまれる。宝暦六年(1756)相模の出身。七代藩主重村公に見出され、後に仙台瑞鳳寺の住持となる。書画に巧みで、東東洋、菅井梅関、小池曲江らとの合作も残される。鍾馗は唐の玄宗皇帝が夢に見た終南山の進士。魔を祓い病気を治すと信じられる。本邦では、五月五日の端午の節供のこいのぼりに描かれたり、人形が作成され魔よけとされる。通常は目を剥いた恐ろしい表情に描かれるが、この南山さんの鍾馗さんはなかなかひょうきんな顔をしている。