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東園寺所蔵書画

盤龍禅礎老師賛 三村霊楓画「鍾馗画賛」


終南進士、夢中の身
邪魔を為殺(しころ)し、意氣振るう
一劔寒光、銕石を穿ち 
明皇、畫いて、國家の珍と作す
瑞巌盤龍題

 ある時、明皇こと唐の六代皇帝玄宗は疫病にかかり、高熱の中で夢を見ました。それは宮廷内で小鬼が悪さをしているが大鬼に食べられ、禍が無くなるというもの。玄宗は夢の中で大鬼に出自を尋ねると、大鬼は「私は終南県出身の鍾馗です。昔、私は科挙の試験を受けましたが落第し、これを恥じて自殺致しました。しかし時の皇帝高祖様は私を手厚く供養してくださったので、その恩に報いる為にこうしてやって来ました。」と言います。
 夢から覚めた玄宗は絵師呉道玄にこの話をして鍾馗の絵を描かせると、果たしてその絵は玄宗が夢で見たままの姿でした。この後、玄宗により家臣に鍾馗の絵が除夜に下賜され、正月は鍾馗の絵を門に貼り魔除けとする習慣が生まれたそうです。盤龍老師の賛はこの伝説を簡潔に伝えています。
 三村霊楓は明治11年生 栃木県河和田出身 名は傑 字は子興 別に宏臺 画を奥村石蘭、松本楓湖に学ぶ。

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