鄧州全忠老師「住吉大社画賛」
「晴天よし 曇りてもよし
住吉乃 濱辺のけ志き
かわらざ利けり」
南天棒こと鄧州全忠老師による住吉大社画賛。
住吉大社周辺の風景画に「晴れてよし曇りてもよし不二の山 元の姿は変らざりけり」という山岡鉄舟の名句をもじったような句が着けられた画賛。
鉄舟居士は南天棒老師に参じた居士の一人で、東京選仏道場が置かれた道林寺は鉄舟居士が実質的な開基である。鉄舟居士は南天棒だけでは無く、鎌倉円覚寺の今北洪川老師(初代円覚寺管長 釈宗演老師の師)や、嵐山天龍寺管長の由利滴水老師等にも参じ、滴水老師より印可を受けている。現今の住吉大社は完全な市街地に在るが、江戸期迄は海沿いの白砂青松の代表的な景勝地として知られており、州浜に松並木の図柄を住吉模様と呼ぶほどであった。