伊達綱村公「和歌 詠郭公只一聲」
詠郭公只一聲
和歌
前左中将藤原綱村
ゆめさむる まどの
灯(ともしび)かげうすみ 月
にひとこゑ なく
ほととぎす
四代藩主伊達綱村公による「詠郭公只一聲」と題される自筆和歌です。この時代の「郭公」は綱村公の和歌本文にあるようにホトトギス。日本では平安初期の『新撰万葉』『新撰字鏡』などにホトトギスを郭公や郭公鳥と表記する例があり、カッコウを郭公と表すのは近代になってからと言われます。
「前左中将藤原綱村」とあることから、隠居後の元禄16年(1703)9月以降の書と考えられます。