雲居希膺禅師 「莫妄想」
瑞巌寺中興開山雲居希膺禅師による横物で莫妄想
「妄想すること莫れ」と訓読されますが、「莫妄想(まくもうぞう)」という語句のまま用いられることも少なくありません。
莫妄想はこの世の中を二つの対立する概念に分別して、いずれかに執着、いずれかを嫌忌することを共に捨てることを言います。「くだらぬことを考えるな」との意です。
作品は署名の「希膺」の書体から、雲居禅師晩年の書だと思われます。数多くの墨蹟を遺している禅師ですが、信者に向けた禅と儒教を踏まえた細字の法語が多く、比較的大きな文字で禅語を書いた作品は希少であると言えます。