小池曲江居士による山水図。署名にある戊子は文政11年(1828)で曲江居士71歳。仲夏は旧暦5月、下浣は月末の10日間を意味します。
『小池曲江の絵画』(平成9年 小池曲江没後一五〇年記念の会実行委員会)には同じ年に描かれた「春秋山水図」が紹介されています。本作とは異なる構図の山水図ですが遠方の山の描き方など共通する描写が確認出来ます。
没年の90歳まで作品を描いた曲江居士にとって71歳はまだ衰えを知らぬ時期で、特に文政年間は良作が多いように感じます。
小池曲江「山水図」(戊子仲夏下浣製)
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