雲居希膺禅師 法語 「浄土不在他方 迷則十萬億土 悟則去此不遠」
雲居希膺禅師 法語
「浄土不在他方 迷則十萬億土 悟則去此不遠」
「浄土は他方に在らず 迷えば則ち十万億土 悟らば則ち去(こ)此(し)不遠(ふおん)」は雲居禅師の代表的な思想。浄土を「去此不遠」と説くのは観無量寿経に見られ、此土浄土の思想は雲棲珠宏禅師の他多くの禅僧によって説かれたものである。ところが本邦の禅、特に妙心寺派等では純禅を建前とするところから、念仏禅と呼ばれる雲居の教えはややもすれば一段低いものと理解されことがある。しかし道俗を問わず尊崇を集めつつも、生涯にわたり山中での坐禅を実践した雲居の行状と辿れば、雲居の念仏というものが、仏教の伝統的な観法に基づく坐禅であったことがあきらかである。