伊達綱村公「芝多氏常春の饗を謝す」
屋宇新成興亦新
喜今応請早為賓
満山忽看百花発
雪裡領春好主人
(訓読)
屋宇新に成って、興も亦た新なり。
喜ぶ楽は、今、請に応じて、早に賓と為ることを。
満山、忽ち看る百花発するを。
雪裡に春を領す、好主人。
(解説)
仙台藩四代藩主伊達綱村公の漢詩。
『如幻三昧集』によれば「芝多氏常春の饗を謝す。」と題した仙台藩奉行芝多常春に与えられた詩。芝多氏は旧姓柴田。その祖先は柴田豊後常弘で常弘の姉が政宗公の側室に迎えられ、宗実(成実の養子となる)を産むことで伊達家の外族となり、常弘も政宗公に仕えることとなった。常春は綱宗公に寵愛され寛文年間に綱村公により芝多と改姓し、柴田郡村田邑に三千石を領し、永代着座に列した。
落慶の歓喜と初春の情が七言絶句にて詠まれている。
※『訓注如幻三昧集』の記載を踏まえて再掲しました。