大愚宗築禅師法語「学道之人不識真云々」
学道之人不識真只為
從前認識神無量劫来
生死本癡人喚作本
来人令人認得自己見
解為大道者可笑可憐
為依文解義如何修行
生死事大無常迅速
十二時中茶裏飯裏是
什麼者也
前住妙心大愚老衲
大愚宗築 だいぐ そうちく(1584~1669)福井県大安寺開山。岐阜出身。雲居禅師とは道友で、雲水時代には雲居禅師等とともに仙台覚範寺虎哉禅師のもとに参じている。豪放な境涯で、武家や公家といった権力者に媚を売らぬ禅僧であった。雲居禅師より年少であるが、時に雲居禅師に対し歯に衣を着せぬ言葉で奮起を促している。諸相非相禅師と勅諡される。
「学道の人、真を識らざるは只従来、識神を認(と)むるが為なり。無始劫来、生死の本、痴人は喚んで、本来の人と作す。」は無門関十二則巌喚主人の頌。元来は五灯会元等に紹介される長沙景岑禅師の偈頌からの引用であるが、大愚禅師は無門関から引いたのではないかと思われる。法語の内容は生死流転の本である識を仏性だと誤って認識することを戒める偈を踏まえ、文字を以て禅を理解することを否定し、日々の生活の中に道を見出すことを提言している。