古梁紹岷禅師「燕処超然」
南山禅師の一行書。燕処超然(えんしょちょうぜん)は『老子』第二十六章に見られる語句。
「重きは軽きの根たり。静かなるは躁(さわが)しきの君たり。是を以て聖人は終日行けども、輜長を離れず。栄観有りと雖も、燕処超然たり。奈何(いかん)ぞ万乗の主にして、身を以て天下に軽くせん。軽ければ則ち根を失い、躁しければ則ち君を失う。」
この章は「重い」「軽い」「静か」「騒がしい」という相反する言葉を用いて天然自然の道を説いたもの。燕処は閑暇無事にして休息するという意味。超然は俗人と離れ、何事にも捉われない様子を表す。