古梁紹岷禅師 「富士詠」
古梁紹岷禅師「富士詠」
浮雲不隔瑤䑓
色雪下珠簾十
二重
芙蓉老師富士詠
南山老人書
(訓読)
浮雲瑤䑓、
色を隔たず
雪下の珠簾
十二重
芙蓉老師富士の詠
南山老人書
古梁紹岷 こりょう じょうみん
宝暦6年~天保10年(1756~1839)
南山の名で親しまれる。相模の出身。七代藩主重村公に見出され、後に仙台瑞鳳寺の住持となる。書画に巧みで、東洋、菅井梅関、小池曲江らとの合作も残される。
作品は芙蓉老師の富士を詠った句を記したもの。雲下の富士の名を借りて、人々に元来具わる仏の心を表現したものか?
芙蓉老師は江戸高輪東禅寺の住持であった萬菴原資禅師。『日本諸家人物誌』(南山道人=池永豹纂述 皆川淇園校閲)に「釈萬菴 名は原資、芙蓉と号す。幼にして宋元の体を刻意して、詩を作るに妙を得たり。人みな文珠小僧と呼ぶ。後に徂来及び南郭に學んで詩風を變んず。東都の芝東禪寺に住す。著述江陵集。」とある。
縦110㎝×横46㎝