雲居希膺禅師「初祖菩提達磨」
瑞巌寺中興開山雲居希膺禅師による達磨名号。何処かの寺院の為に書かれたものであろう。焼香に燻され真っ黒に焼けている。仏や祖師の名前を墨書して信仰の対象とする事は中世に浄土系宗門から始まったものであろうか?戦国時代が終わり、世が安定し寺院数も格段に増え、大名や武家のみならず庶民の仏教に対する信仰が盛んになると、弥陀名号のみならず、様々な種類の仏祖の名を記した名号のバリエーションが増えるようである。江戸初期の禅僧で大名から庶民まで様々な階層の人々と交流のあった雲居禅師は、この中でもその名号のバリエーションの豊富さでは他に類を見ない人である。当山の所蔵だけでも、観音菩薩名号、阿弥陀仏名号、薬師如来名号、そしてこの達磨大師がある。
本紙縦59.2cm×横15.8cm