小池曲江居士 「達磨画」
仙台四大画家と称される塩釜出身の絵師小池曲江さんの達磨画。一見すると、沈南蘋の画風を継ぎ、綿密な画風を極める曲江さんらしからぬ作品ですが、落款印譜は正に曲江さんのものです。また達磨の表情を見ると禅僧が画く達磨画とは異なり、柔和な表情をされていて、曲江さんの他の人物画に共通する雰囲気があります。この作品が描かれた丙申は天保7年(1836)、曲江さんは79歳。江戸時代にしては充分に高齢と言える年齢なのでしょうが、この方は90歳の長寿を全うしますので、この作品も衰えを感じさせないしっかりとした筆致です。平成9年に仙台市立博物館で行われた小池曲江没後150年記念の企画展図録によれば、この年は岸駒との合作の寿老人や、賀茂李鷹(かもすえたか)の賛を伴う富士画賛が画かれています。この達磨画を含め3作品とも、曲江さんの緻密な筆運びとは異なるノビノビとした印象を受けます。
縦102cm×横53cm 紙本
縦102cm×横53cm 紙本