盤龍禅礎老師着賛「實元玄真和尚頂相」
東園寺十五世實元和尚の頂相に盤龍老師が着賛した作品。實元和尚は松島出身。俗性は浅野氏。瑞巖寺徒弟となり京都妙心寺専門道場で修行。慶応三年の大火で伽藍の焼失した東園寺に入寺し、蚕や豚を飼いながら寺門を支えた。晩年境内の一部が宮城電鉄に買い上げられ、資金を得るも、伽藍復興は後住に託し、自らは清貧の生活を送る。
「寶林に傑出す實元老 東園に穏坐すること五十年 面上紅桃又白李 石腸狼毒天淵に迸(ほとばし)る」 (意訳)僧林に傑出した實元和尚は東園寺に住職すること五十年間。桃や李の樹の下には自ずから小路が出来ると言うが、まさに今は桃李の時節、和尚の頑固な精神と甚だしい毒毛は空に深淵にと勢いよく飛び回っている。